問題となっていた霊園の名義貸しとは

本来、霊園や墓地の経営・運営は、宗教法人もしくは公益法人にしか認められていない。

しかし、実態は、お寺が開発業者に名義を貸して、運営は業者が行っている「名義貸し霊園」がいくつもある。

もちろん、名義貸し霊園だろうと、きちんと運営してくれさえすれば大きな問題とはならないのだが、なかには杜撰な経営で倒産してしまう業者もある。そこで問題視されたのだ。

お寺の経営は必ずしもうまくいっているところばかりではない。
檀家が減って心もとないお寺の住職のもとへ、業者から打診が入り、収益の一部を名義貸し料として支払うと言われれば心がぐらつくお寺は一つや二つではないだろう。

業者は、地図に載っていないような目立たない寺を探しているという。
また、業者が「休眠宗教法人」を買い取って経営するケースもあるが、「名義借り」には、許可を受ける際、行政当局にきちんと活動実態のある寺から委託されたと主張ができるメリットもあると。

開発会社が負債を抱えたために霊園が競売にかかり、区画を購入していた人が競落した別の業者から新たに追加代金を請求されるなどの問題も起きている。

そう。お墓を買う際には、値段だけで比べるのではなく、現地に足を運んでしっかりとした運営母体が確かめる必要があるのだ。
今や霊園や墓苑も時代に即して、しっかりと運営・経営していかないと厳しい世の中である。

霊園・墓苑の見た目や、住職の豪華な車だけでなく、ITなどきちんと投資するところには投資しているかも判断材料となるだろう。
(参考:霊園・墓地管理システム「Reisys(レイシス)」

具体的な例をあげると、横浜市では青葉区と保土ヶ谷区の霊園が一部使用禁止命令(販売停止命令)を受けている。いずれも宗教法人の名義を借りて墓地の経営許可を取っていたことが、違法造成などをきっかけに判明した。

また、さいたま市では、学校法人も絡んで名義貸しが問題となり、判例も出ている。
名義貸しにより墓地経営の許可を受けていたことが墓地、埋葬等に関する法律所定の許可の取消事由に該当するとされた事例
これは地裁の判決ではあるが、以後の墓地行政にとって一つの指針となっている。

なお、平成24年4月1日に「墓地埋葬等に関する法律」が一部改正され、墓地等の経営の許可等の権限が都道府県知事から市区町村長へ移されて以降、霊園・墓地・納骨堂の開発許可が、非常に出にくなった。

また、墓地・霊園の経営の許可を受けるには、最低でも5年以上の活動実績が求められるため、単なる名義貸しだけの霊園開発は現在では難しくなってはいる。